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13

OCT

2017

2017 G空間EXPOシンポジウム開催

宇宙技術・地理空間技術を利用した社会イノベーション〜宇宙・地理空間情報技術を使った社会課題解決型人材育成のあるべき姿〜

2017.10.13 13:00 - 17:15

  • CATEGORY: シンポジウム

中間報告会の様子

10月12日(木)~14日(土)にわたって、日本科学未来館にて「G空間EXPO~地理空間情報科学で未来をつくる~」が開催されました。その一環として10月13日(金)13:00~17:15、イノベーションホールにてシンポジウム「宇宙技術・地理空間技術を利用した社会イノベーション〜宇宙・地理空間情報技術を使った社会課題解決型人材育成のあるべき姿〜」を開催しました。G-SPASEプログラムの活動紹介、3人の招待講師による基調講演、6人の学生による5分間の研究発表、研究ポスター展示、パネルディスカッションが行われ、総勢52名の来場者にお越しいただきました。

柴崎亮介教授(東京大学) 神武直彦准教授(慶應義塾大学)

第一に、gnss.asiaの角谷陽子氏から「GNSSにおける日欧協力と人材育成プログラムの紹介」と題して、欧州のガリレオ衛星とそれに伴うサービス普及と人材育成についてご紹介いただきました。会場からは、gnss.asiaという団体や海外の人にも開放された奨学金プログラムがあるとは知らなかったなどの声が聞こえてきました。

角谷陽子氏(gnss.asia)

第二に、昨年に引き続き、Institute for a Global Society株式会社のファビアン・ルディエ氏から“People Analytics: Screening Human Intelligence with A.I.”というテーマで、人工知能を用いた採用活動の展開、GROWアプリケーションを用いたコンピテンシー(行動特性)の測定とその結果の活用方法について、企業の実例を踏まえてご説明いただきました。

Fabien Roudier氏(IGS)

第三に、青誤学院大学の古橋大地教授からは“State of the DRONEBIRD”という発表で、ドローンを用いた災害時のマッピングプロジェクトについてお話いただきました。災害は過去に前例のない事態が全国で発生していて、自治体との防災協定の話が参考になったという感想を多くいただきました。今後も一億総伊能化を進めていく目標を掲げていくとのことでした。

古橋大地教授(青山学院大学)

休憩を挟んだのち、慶應義塾大学の西野瑛彦助教により、今年4月から7月にかけて、東大・慶應の研究員と渋谷教育学園渋谷中学高等学校の高校生が一緒に取り組んだ、渋谷を対象とした社会課題解決プロジェクトについて紹介を行いました。この活動は、学生同士が自分の専門知識や経験を他の学生に教え合うことで、自分自身の学びの向上に繋げることを目的としています。この取り組みは、読売教育ネットワークの取材も受けており、活動の詳細は全国紙にも掲載されました。高校生のチームは下記の問いを立て、地理空間情報技術を駆使して課題に挑戦しました。

1) 「子連れでも楽しめる渋谷を実現するには?」
2) 「竹下通りのポイ捨てをなくすことはできないか?」
3) 「外国人観光客にも渋谷駅での乗り換えを分かりやすくできないか?」
4) 「災害避難・復旧時,周囲に使える生活用水がどの程度あるか知っていれば,生活用水を賢く使うのでは?」
5) 「外国人が渋谷で自分たちのイメージする寿司屋で食事ができるような情報を提供できないか?」

続いて、6人の代表学生がG-SPASEプログラムでの研究プロジェクトについて、次のテーマで5分発表を行いました。

1) “Taxi Probe Data Analysis for Business Catchment”
2) 「精度の良い自動草刈を目指して」
3) “Using Machine Learning and GIS for Agriculture Microfinance”
4) 「災害時における立体モデルを用いた避難経路最適化のための手法」
5) “Asian Base Station 2017”
6) “UAV Mapping with Low Cost RTK-GNSS Receiver”

ポスターセッション 1 ポスターセッション 2

更に、パネルディスカッションでは、ネパールとザンビアからの留学生も含め、「G-SPASEプログラムに参加した動機は?」「G-SPASEの良かったことは?」、「G-SPASEの難しかったことは?」、「今後の方向性は?」といった質問をテーマに議論を行いました。単位認定がないG-SPASEプログラムと修士・博士研究との両立、修士学生と博士課程の学生に対する指導の区別、モチベーションを維持するための最適なプログラム期間、学生ばかりでなく社会人を対象としたプログラムの設計などについて意見交換がされました。

パネルディスカッション

G-SPASEプロジェクトの教育活動の目標は、国際社会の舞台で活躍し、実社会で課題解決をリードしていける人材を育成することです。今年は6年継続したプログラムの最終年度で、最終年度にふさわしく、2017年10月4日にGOOD DESIGN賞の受賞が決まりました。GOOD DESIGN賞の展示は、11月1日(水)~5日(日)に東京ミッドタウンで開催されます。また、2月には1年の活動を締めくくる最終成果報告会が慶應義塾大学三田キャンパス北館で予定されています。6年の活動成果をご報告することを楽しみにしています。

本取り組みは、内閣府のホームページでも紹介されています。http://qzss.go.jp/news/archive/gspase_171102.html

G-SPASEの学生