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SEP

2016

2016 第5回マンスリーチュートリアル開催

2016.09.25 13:00 - 18:30

  • CATEGORY: マンスリーチュートリアル

第5回マンスリーチュートリアルは、9月25日に東京大学生産技術研究所にて開催し、総勢27名の学生が参加しました。2つの招待講演を実施後、サマースクールの振り返り、Facebookを利用した教材収集の取り組み、第1回コンピテンシー測定結果の説明、学生プロジェクトの議論が行われました。

はじめに、マゼランシステムズジャパン株式会社の岸本信弘CEOから「低コストGNSS受信機と準天頂衛星補強データ対応型受信機の開発について」と題して、会社の概要、製品、モスクワ・サンペテルブルグでの研究開発、農業を中心に大きなイノベーションを産みだす北海道大学との共同研究についてご紹介いただきました。マゼランシステムズジャパン株式会社は、1987年の創業以来、一貫してGPSに代表される測位衛星システム(GNSS)に関連する事業を主体として発展しています。主力製品である「高精度L1マルチGNSS RTK測位受信機」は、低コストで実現した自動運転用高精度衛星測位モジュールとIMU(慣性演算装置)との高度カップリングシステムとして2015年CEATEC AWARDソーシャル・イノベーション部門グランプリを受賞しました。従来一千万円程したコストを、性能は維持しつつ劇的に低減させる事に成功。これにより、農林水産業用機械、建設機械、ドローンや自動車の自動運転、そして安全管理システムの急速な普及を促す事が可能となりました。製品はセンチメータ級の位置精度が要求される、測量、地殻変動の調査、農業機器、産業機器、ロボット等の自動運転、モニタリング用途、電動車椅子、産業用無人飛行機の位置制御まで、幅広く活用されることが期待されます。今後は、内閣府、農林水産省、JAXA、総務省、農研機構との協力体制を更に強化していくとのこと。講演後は質疑応答が活発に行われ、U-BLOCKSや台湾製品も販売されるなかでのグローバルマーケットでの強み、趣味のヨットが起業にどのように役立ったかなどお話いただきました。

次に、東京大学・中須賀/船橋研究室の小畑俊裕氏による「超小型衛星技術と国家宇宙システム整備がもたらす、宇宙利用環境の変化と展望」の講演が実施されました。日本と世界の宇宙システム、観測衛星の主要センサー紹介、宇宙システム利用の課題、小型衛星ビジネスの概要について説明していただきました。キーワードとして、” Closed  to OPEN”、” Offline to Online”、” Public to Personal”が印象的でした。

そして、Institute of Global Society株式会社の福原正大氏からG-SPASE参加者の第1回コンピテンシー測定結果について解説していただきました。学生全体の特徴として、Conscientiousness(勤勉性)、Extraversion(外向性)、Agreeableness(協調性)、Openness to Experience(新しい経験を求める積極性)、Neuroticism(情緒不安定性)のうち、協調性と積極性が強い傾向にあると説明いただきました。この傾向は、他人に思いやりをもって接することができるがグループとしてうまく機能しない、行動はできるが実行前に準備が不足するなどといった特性にも通じるそうです。総じて、G-SPASEに参加する学生の、計画的に準備する能力、リーダーシップ、プロジェクトマネジメントを遂行する能力の改善が指摘されました。

今後、10月末に向けた学生プロジェクトの中間レビュー、11月25日に未来館で開催されるG空間EXPOに向けたTED-STYLE形式の成果発表が予定されています。

岸本信弘氏(マゼランシステムズジャパン株式会社)

小畑俊裕氏(東京大学)

福原正大氏(IGS)

学生プロジェクト議論(1)

学生プロジェクト議論(2)